去年フィンランド旅行に行く前、ヘルシンキ空港には旅人が本を置いていける本棚があると聞き、何かちょうど良い本が無いか本屋で探していました。その時に見つけたのがこの本。
逃北
もし、日本語がわかる旅人なら「北へ逃げにフィンランドに来たのか?」と邪推してくれるかもしれない。これは面白そうだ。そんな理由で買って読み始めてみたら、予想していたよりも面白く、能町さんの「北へ逃げたい」や「旅の楽しみ方」に結構共感して空港に置いて帰るのが惜しくなり(旅行中も読んでた)、日本へ持って帰ってきました。本末転倒です。
感想
『北へ行く人』
人間は、大きく二つのグループに分けることができると思う。「北へ行く人」と「南に行く人」に。
引用元:フィンランド語は猫の言葉(P17)
これは別の本に書かれた言葉ですが、これを読んで初めて私は「北へ行く人」かもしれないと思いました。そもそも、多くの人が言う「南の国でのんびりしたい~」っていう発想がありません。ハワイとか行ったら、その場に馴染めなくて浮きそうです。
実際、このブログで上げてる旅行記も北が多いです。
▽宮城県のキツネ村
▽新潟のアート旅
▽鳥取~兵庫・京都北部
ここ6~7年は毎年東北に行っていますし、なにか惹かれるものがあるんですよね。なのでこの本を読んで、世間は南国リゾート派が多いけど、北派もいるよね!ということが嬉しかったし、安心しました。きっと北派が他にもいっぱいいるはず!!
でも、言うまでもなく、静岡はぜんぜん北じゃない。(P14)
静岡出身なので、ちょっとでも話題に出ると嬉しいです。(笑)私にとっても静岡は『言うまでもなく』北じゃない。なんか、北=雪が当たり前に降る所っていうイメージがあります。静岡も降る所は降るけど、県としては(?)降らない県だから、北感がしない。
能町さんの旅の楽しみ方
ここにも少し共感します。
まず私は、旅のなかで、観光スポットをあまりメインにしない。(P18)
私もそういう所があるからです。でもやっぱり、せっかく来たのだから有名スポットに行ってみるか・・・と思ってしまう所があるので、能町さんレベルまでは行けてません。元々旅をするようになったきっかけが、自分の住みたい場所を探すだったので、観光地よりはその土地がどんな所なのか歩いて見て回ることが好きでした。
能町さんの、
私が旅してみたい」って思うのは、「住んでみたい」って思うのとたぶんそんなに変わらない。(p20)
20歳ぐらいの私はまさにそんな感じ!
この本を読んでいろいろ過去のことを思い出したんだけど、大学生の頃よく「遠くへ行きたい」とつぶやいて北海道へ行くことばっかり考えてたんだけど、あれこそ『逃北』だったんじゃないかな?あの頃、京都のワンルームマンションでの生活が窮屈で仕方がなかったので、うわ言のように言ってました。(高校生まで茶畑に囲まれた田舎に住んでたので)
「北には行きたくなるけど、私は『逃北』では無いなぁ~」って思いながら読んでたけど、『逃北』だった頃もあるじゃん!なんだろう、この北へ逃げたくなる気持ちって!?!?
▽その大学時代の北海道旅行
あと、次の汽車まで時間がある時は次の駅まで歩いちゃう、っていうのもわかります。未知の街を歩くのって楽しいよね~。最近も、青森で芦野公園駅から金木駅まで歩く計画立ててました。(結局寝坊して歩いてる時間無かった)
ただ、能町さんの3時間、4・5キロ知らない街を歩く・・・っていうのは若いから挑戦出来ると思う。年取ると「迷子になったらどうしよう」とかそっちが勝っちゃうから、こういう旅は若いうちにしておいた方が良い。
旅先で地元の人だと思われて道なんか聞かれた日には、喜んで教えます。無理してでも。(P46)
これは私は嬉しくない。(苦笑)何度かあったけど、「多数の地元民がいる中で、なぜ私に声をかけてきたァ!!」と心の中で悲鳴を上げています。私も無理してでも答えるけど。(笑)
終わりに
こんなペースで感想を書いていたら、1万字越えてしまう勢いなので、始まりの部分だけで感想を終わりにします。
同じような旅の楽しみ方をしてる人に出会えて嬉しかったし、自分が適当に選んでいた旅先が気づけば北ばっかりだったのにもこの本で気づけました。(きっかけがフィンランド《北欧》旅行だし)
この本を読んで北海道の夕張に行ってみたくなりました。いつか、必ず・・・とか言ってたら夕張支線が2019年3月に廃止になるんですよね。廃止になる前に行くか、廃止後の夕張を見に行くかすごく悩む。
あと、同じ「北に行く人」たちで集まって話をしてみたいなーという希望があります。みんなの北エピソード聞いてみたいし、「北に行く人」はどんな人なのか興味があるので。なんかサークルとか作れないかな!