Youtubeで予告編を見て、Beatlesがいない世界にBeatlesを知ってる主人公が行ったらどうなるのか!?という事に単純に興味を引き立てられたので、翌日に見に行ってきました。
普段だったら、どんな映画かネットで情報収集して吟味してから行くんですが、たまにはこういう突発的な映画鑑賞も良いでしょう!
映画感想
途中までだいぶヒリヒリしながら見てました。
というのも、主人公が嘘をついてその嘘がいつバレるのか心配しながら見る作品って苦手なんです。もう、嘘を付くたび「大丈夫かな~大変なことにならないかな~」と心配する気持ちは募る一方。
そして私は本物のBeatlesが現れて(世界がもとに戻って)、ジャックが最後にひどい目にあうんじゃないか?というストーリーしか予想していなかったので、最後の物語の持って行き方は予想外で「ああ、そういう考え方もあるのか・・・」とハッとさせられる作品でした。優しい世界だった。
なので見終わった時の気持ちは良いものでした。ストーリーを知ってしまうと何度も見たい映画では無いけど、いい映画だったと素直に言える作品でした。
エリーとの関係
ずっと一緒だった幼馴染でマネージャーだからジャックの歌も十分知っている。そんなジャックがある日突然、素敵な愛の歌を歌いだしたら(サマーソングとか歌ってたのに!)
え!?誰のことを思って歌ってるの!?!?!
ってなるよね!(でも実際はBeatlesの歌を歌ってるだけ)
ここの展開が少女漫画っぽくてキュンキュンしました。これによって、ジャックとエリーの関係が動いていく。いい意味でも悪い意味でも。
ジャックがBeatlesの歌を歌うことでこういう問題が発生するのは予想外でしたし、とても好きな展開です。
そしてエリーが何度か(2度?)ジャックにチャンスを与えたのに、ジャックはそれに乗らなくて結局エリーは別の男性と付き合ってしまう。レコーディングの時からいい感じだったもんね!
最後にジャックがエリーに告白するけど、言うのが遅いって思いました。でも遅くなかった。
だって学生の頃から好きだった幼馴染がやーーーーっと告白してくれたのに断れる?
断れないよ!
積み重ねてきた時間は確実に重い。告白するのが遅かったぐらいでは断れないし、すっごく嬉しいと思う。
あと、エリー役の女優さんがとても魅力的で好きです。エリーを応援したくなる気持ちになったのは、リリー・ジェームズだったからというのもありました。今度他の作品も見てみよう。(出演作で気になったのは『高慢と偏見とゾンビ』・・・あの映画にも出てたのね・・・。『高慢と偏見』が大好きなので、ゾンビって何!?って気持ちもあるけど見る予定。)
(´-`).。oO 予告を見た時点では恋愛要素は全然気になってなかったのに、こんなに熱く語るに至ったよ・・・
あと、エリーが言ってた『友達の枠』の話はすごくわかる。「あなたは私を恋人の枠に入れてくれない(←うろ覚えなので微妙に違う)」。枠に入ってない感ってひしひしと伝わってきて辛いよね。
物語の転換期
イエローサブマリンの2人(Beatlesを知ってる2人)がジャックに対して感謝を伝えに来たシーンが、この映画の見方をガラッと変えるシーンでした。
あ・・・そういう考え方もあるのか・・・と。Beatlesファンならジャックのことを怒るはずとしか頭になかったけど、好きなミュージシャンの歌をもう二度と聴くことが出来ない、誰も知ってる人がいない世界というのはすごく寂しい世界なんだと、そういう想像力が私には欠けていました。
何でも人を批判する方向の思考回路ばっかり働くのは本当に良くない。人は人を叩くことしかしないわけでは無いのに。
そして、Beatlesのことを知ってる3人が楽しそうにBeatlesのことを話すシーンがとても暖かくて楽しそうで良かったです。
ここでジャックにBeatlesの歌をこの世界に伝えるという役割が生まれた。Beatlesの歌で金と名声を手に入れ、いろんな人に嘘をついた人間から変わっていく。
この世界の『ジョン・レノン』との遭遇
Beatlesを結成しなかったジョン・レノンは今も生きていた。
そしてジャックに嘘をつかないことと好きな女性に愛を伝えることを教えてくれる。
ちょっと助言が(物語に)丁度良すぎる感はありましたが、言った瞬間はゾクゾクっと感動してしまいました。ジャックに一番必要だったことを教えてくれるのが、ジョン・レノンってね!
Beatlesファンだった作者がジョン・レノンが生きている世界を空想してこの物語を作ったのかな~なんて、このシーンを見ながら思いました。(あと、オノ・ヨーコはこの映画のジョン・レノンに対してどう思うのかもいろいろ考えてしまった)
ミュージシャンとしてのジャック
エド・シーランとの作曲対決は、ジャックとして書けるベストな曲で対決して欲しかったけど、あそこでBeatlesの曲を演奏してしまったのは、プロとして自分はやっていけないということを痛感したのかな。映画はジャック自身はミュージシャンとして成功することが出来なかったという終わり方でしたし。
私は映画の中で歌われたジャックの歌は好きですが、Beatlesと比較するとやっぱりBeatlesっていい歌作ってたんだなぁと思いました。(ジャック役のヒメーシュ・パテルの歌声好きです。いい声だし上手い!)
あと私、Beatlesに詳しくないので
(´-`).。oO これはBeatlesの歌なのかな?他のミュージシャン?
とわからない曲がいくつもありました。映画見に行く前、エド・シーランの歌は予習したんだけど、Beatlesも予習しとくんだった!
好きなシーン
ジャックが両親にレット・イット・ビーを初披露する時のテンポの良いコントみたいなシーンが面白くて好きです。おじさんも含めて!
ジャックの友人の問題児
エド・シーランに笑えないジョークを言うジャックの友人。予告を見た時、うわ~この後もっといろいろ問題起こすんじゃない!?と心配しましたが、あのシーンがピークで安心しました。
その後はジャックの助けになってくれたり、大きな問題は起こさず、クスッと笑えるシーンもありました。(エリーのポテトチップスをくすねて怒られるシーンが好き)
TOKYO TOWER
全世界が停電になるシーンで日本のニュース番組と東京タワーが登場したのが嬉しかったです。(笑)エンドロールのTHANKSのところに、TOKYO TOWERがあったのは確認できたけど他はわかんなかったー!
終わりに
映画を見終わった後、優しい世界の温かい映画だったなぁと思いました。どうも私は人間は悪いと考えがちだし、ストーリーもリアルであることを求めてしまう。(イエローサブマリンの2人以外にも知ってる人いるんじゃないの?とか、そもそもどうしてこういう世界になったのか?とか)
その後、原案のジャック・バースが62歳でこの作品のアイディアを考案したと知り、62歳の人だからこそ棘が抜けたこの物語が書けたんだろうなと思いました。ちょっと古き良き映画を見た感もあったんですよね。
こういう作品を見て、私も自分にある棘を丸くしていきたいと思いました。
あ、あと!Beatles以外もいろいろ無くなっていたのが、物語のいいアクセント(ジャックの浦島太郎感。この先もいろいろあるんだろうな~)になってて面白かったです。(作者はペプシ派?)Beatlesに限らず、いろんなものが無くなっている世界なら、他にもジャックみたいな物語が地球のいろんな場所で生まれてるかもしれない・・・とかね。
(´-`).。oO 映画見てから、Beatlesの歌聴いたり、Beatlesについて調べてます~