1988年のアメリカ映画です。舞台は1968年のチェコスロバキア。『プラハの春』が題材になった作品です。
きっかけ
タイトルに惹かれて小説を買い、数ヶ月かけて読破。とっても面白かった!それで「映画も見てみたい」と思ったのがきっかけです。
小説を先に読んでから映画を見ると、想像を映像で観られる楽しみがあり、映画を先に観て小説を読むと映画で描かれなかったシーンや真意を知ることが出来ます。どっちが良いかは人それぞれですが、私は先に小説を読んでおいて良かったと思いました。
映画は3時間にキュッと話をまとめていますが、小説は長いのでじっくり物語を楽しむことが出来ます。どういうストーリーかわからずに、じっくり物語を楽しめた事が良かったのでそう思いました。
感想
想像を映像で答え合わせ
舞台は1968年のチェコスロヴァキア。国のことも時代のことも全然知りません。なので小説を読んでる時は「こんな感じかな?」とたくさん想像をしました。1988年の映画なので小説の舞台とまったく同じでは無いけど、こういう感じだったのかな~という具体的な答え合わせが出来て面白かったです。
手術シーンが嫌~!
トマシュが鼻歌歌ったり口笛吹きながら頭の手術をしてるシーン。糸鋸で頭を切るシーンは、『黒板に爪を立てる音』ぐらい観てて「いやああああ」って気持ちになりました。早く終わって!
トマシュとテレーザの最初の別れ
会ってすぐお別れって寂しすぎる。今はケータイやスマホがあるから簡単に繋がれるけど(いい面悪い面あるけど)、それが出来ないとなるとすごく辛いかも。昔の人はその分タフだったのかもしれない。
だからその後、テレーザがプラハのトマシュの家に押しかけた時はびっくりしたし、そうまでしなきゃ繋がれない危機感からの行動だったのかも。
サビーナが強そう
トマシュもテレーザもだいたいイメージ通りでしたが、サビーナは想像より強そうな女優さんでした。特に目が強い!あとフランツも若さがもっとありそうなイメージを持ってました。
サビーナと鏡と帽子
この3つが揃った様子は映像として美しく、見ごたえがありました。その鏡にトマシュの表情が映るのがなんとも。
あと、サビーナの下着が黒で超セクシーなのに対し、テレーザは白かベージュの素朴な感じだったのも、映像だからはっきり伝わる対比でした。
サビーナとトマシュの関係
わかり合ってる感じがカッコいい。トマシュがテレーザと同棲始めても別れなかった理由もなんとなくわかる。(テレーザが突然だったし)
トマシュとテレーザのコミュニケーション
激しすぎ!動物がじゃれ合ってるみたいで最初観た時はびっくりしました。立ち上がろうとするトマシュをテレーザが何度も頭を押して椅子に座らせたり。何でそんなことをするの!?(笑)
メフィストが可愛すぎる
特に最初のミニミニサイズの時!可愛すぎる!結婚式だからってネクタイを黒にしたのはたまらなく可愛かったです。(*´ω`*)あのサイズなら豚飼いたい・・・。
フランツが可哀想
小説だとそんなこと無かったんですが、映画で見たらダメージ大きかったです。「奥さんと離婚したよー!」って言って、次の日サビナの部屋に行ったらもぬけの殻って・・・絶望。あの何もない、(昨日まではいろんなものがあったからよけいに)空っぽの部屋が悲しすぎた。
でもフランツは魅力的に見えないからな。(´・ω・`)奥さんと別れたって言った時「うわー」って思いましたもん。その時のサビーナのリアクションが素晴らしかった。言語に出来ない感情が表現されてたと思います。
昔はあまり気にしなかったけど、別れはソフトランディングにして欲しいって歳をとってからすごく思います。(ヽ´ω`)他人事でも耐えられない・・・。あれ?サビナも人生が軽い側の人なのか。(今更)
映画ではフランツのその後は描かれていませんね。知らなくてもいいけど、気になる人は原作読んでみて下さい。
だが、しかし!
フランツの訪ねた部屋にはサビーナは居なかった。でもトマシュが訪ねた部屋にはいるんだな~、サビーナが!もー!トマシュ!!(八つ当たり)
真面目な女と軽い男の話
そういう風にも見えました。そう言っちゃうとちょっと軽い気がするけど。この2人に幸せはあるのでしょうか?テレーザが好きなほど、トマシュはテレーザのことが好きに見えなかったけど、どうなんでしょう?トマシュの考えてることがわからなかったので、わかる人に教えていただきたいです・・・。
不安になるBGM
弦楽器の不安になるメロディーがちょこちょこ流れてました。印象的です。
『6』
最後に2人が泊まった部屋の番号が『6』でなんだかロマンチックに感じました。その後にあるのは死なので、そう言ってしまうのは変な感じしますが。
トマシュは本当に幸せだったのかな。
人生の重さ・軽さ
人それぞれでしょうね。私はトマシュより重くて、テレーザより軽いです。ちょうど中間では無く、若干・・・トマシュ寄り。映画見た後、近しい人と「人生の重さどれぐらい?」って話してみるのも楽しいかも。
終わりに
観終わった時は疲れてたので、何度も観たい作品では無いです。小説のほうが登場人物のことがよりわかりますが、フワッと全体を楽しめる映画も悪く無い。テレーザの
「私はその軽さに耐えられない」
と、この映画のタイトルにもなった手紙のシーンがすごく良かった。このシーンだけ切り取って持っておきたいと思ったほどです。
次はこの作品に登場した『アンナ・カレーニナ』を観る予定です。