タイトルに惹かれました。2013年の日本映画です。
きっかけ
数年前、ネットか雑誌か知ったきっかけは忘れましたが『箱入り息子の恋』というタイトルが面白くて食いつきました。「箱入り娘は聞くけど、息子はあまり聞かない・・・。箱入り息子の『恋』ってどんな感じなんだろう?」とタイトルだけで、ストーリーを想像してワクワクしました。
が、観るのを忘れ数年経ち、先日ネットで
ドラマ『逃げ恥』の津崎さん(35歳彼女いたこと無い)と同じ様な役を星野源さんがやってた作品
と紹介されてるのを見て、「星野源さんだったの!?しかも同じような役をまたやってるって、どうなんだ!?よほど適役だったの!?」と再び食いつき、ちょうどNHKが放送してくれたので観ました。
しかも、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の放送時間と同じ時間にこの映画放送されたんですよね。NHKめ!やりおるわ!
以下、ネタバレ有りの感想なのでご注意下さい。
感想
作品テーマ
『箱入り息子の恋』と『障害者との恋』と2つの要素があったので、この2つが喧嘩しちゃうんじゃないかと思いましたが、段々この2つが上手く混ざって良い感じになったと思いました。
人間って紙一重なのかも
前半の健太郎はちょっと気持ち悪い感じでしたが、それがだんだん無くなっていきました。元々、星野源さんのことは気持ち悪いとは思ったことないですし、人を訝しむ所ってすごく紙一重なものなのかもしれません。
ちょっと変わっただけで、不信感が和らぐ可能性は十二分にある。あと、人によって不審に感じる点は違いますし。人を単純に気持ち悪い・気持ち悪くないと決めつけるのは、早計。
親同士の婚活
現代ならではだなーと思いました。こういうその時代に存在したものって、数年後映画見た時「こんな時代もあったね」と振り返られるので、今は当たり前・身近に有りすぎて気づかないことも、作品にしてくれると嬉しいです。(^^)
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』もそうですね。SNSやら、何やら。
いろんな価値観に振り回されてしまう
最近よく思います。「自分が持ちたくなくても、身についてしまった価値観のせいで生きづらくなってる」って。この作品でもそのことが感じられて、奈穂子は目が見えないけど目が見える父親の方が健太郎のことをろくに見えようともせず決めつけて切り捨ててしまう。
観ていて、いろいろ考えさせられました。邪魔な価値観を捨てるにはどうしたら良いんだろう?
メールやLINE
仕草や表情を見ることが出来ないから
作中では目が見えなくて確認できないという話ですが、メールやLINEなどのやりとりも同じだなぁと思いました。仕草や表示がわからないと不安になる。文字だけだと、声のトーンや言い方もわかりませんからね。コミュニケーションとしては難しいものなのかもしれません。
だから必要なことはきちんと言うことが大切。忘れないでいたい事です。
吉野家
奈穂子が一人で吉野家に行って牛丼を注文して食べる。このシーンが本当素晴らしかったです。注文したものが健太郎に教えてもらった『ツユダク』とか、『紅しょうが』とか。その1つ1つの物だけで、奈穂子の気持ちが伝わってくるようで見ていて辛かった。
ちょっと泣きながら観てたら、今度は正面に座った健太郎が泣き出して不思議なことに今度は笑ってしまいました。(^^;)な、なんで健太郎が泣くと笑っちゃうんだろう!?
たぶん、普通だったら紅しょうがの蓋を落としてしまった奈穂子の所にすぐ行くだろうし、ただ正面に座って泣いてるっていうのがすごく健太郎らしくて愛おしかったんです。でも、もっと早く慰めてあげて!(つд⊂)エーン
まさか、最初2人で吉野家に行った時この場所がこんな特別な場所になるとは思いませんでした。
頑張れ健太郎!
健太郎が奈穂子の部屋に忍び込む場面は手に汗握って応援しました。映画見てて、本当に心の底から応援したくなる気持ちってなかなか無いです。(映画だし上手くいくんだろうな~と思って見ちゃうから)
健太郎が落ちそうだし、登れそうな気もしない、その微妙な状況の演技が本当に上手だったと思います。
ここであの蛙の鳴きマネが生きてくるとは思わなかった~!人を繋ぐものって思い出だったり、共有したものですよね。
夏帆の演技
全体を通して、こちらも素晴らしかったです。最初目が見えないことはわからなかったけど、不思議な何かありそうな雰囲気が出ていて「なんだろう?」と思って観てました。間のとり方とか絶妙で、本当に奈穂子という女性がいるような感じでした。
恋をするだけで
恋をするだけで人生はこんなにスペクタクルだ。
その通りだと思います!スペクタル!!
終わりに
映画見始めて1時間ぐらいした所から、引き込まれました。もうちょっと先が観たかったけど、見た後の気持ちが良い終わり方でした。それと、エンディング細野晴臣さーーーん!(*´Д`)/
いいですなぁ~。いいですなぁ~。
今まで恋をしたことが無い人も、しばらく恋をお休みしてた人も「やってやろうじゃないか!」って気持ちになれるかもしれない映画かも。あと、子離れできない親にもオススメな映画だと思いました。