【映画感想】ストーカー「孤独な人間に対しての救いとは?」

この映画の邦題は『ストーカー』ですが、日本で一般的に想像される『ストーカー』とは異なります。家族に対するストーカーです。正直見ていてしんどくて、途中で見るのをやめようかと思いましたが、この作品から他人事では無い恐怖を感じました。被害者に対しても、加害者に対しても。

私も猛烈な孤独に襲われたら、一体どうなってしまうんだろう。でも、主人公が抱えていたものって『孤独』だけでは無いですよね。

 

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感想

写真が無ければ知ることが無かったプライベートな情報を、生々しく知れるようになりました。これが良くも悪くもあって、自分がつらい状況にある時に見ると、幸せな人の写真と(そこから伝わる情報から)自分との差に苦しんでしまったり、逆にそこから幸せを貰えることもあります。

 

私はどちらかと言うと嫉妬深い方なので、自分との差に苦しみがちです。なのでSNSなどは出来るだけ見ないようにする、もしくはそういう個人的な話よりは、物事の話(趣味など)だけで交流するように気をつけています。でも、そういう大丈夫であろう場でも、たまにプライベートなハッピーエピソードがぶっこまれてくると、その時々の自分の精神状態によっては、ダメージをくらってしまうんですよね。言う人は悪くは無いのですが。

 

この映画の主人公、サイのお客さんのプライベートまで入ってくる接客は正直怖かったです。現像してる写真を勝手に見られて、それに関する話題を振られるのも不快。そこに関しては自分自身ちょっと神経質なのかな、と思う気もする。それぐらいの対人コミュニケーション出来たほうが、世の中平和なのかな。

私自身、他人との距離感を取りすぎてるところがあるので、よりサイがズケズケと入り込んでる様に感じるんですよね。でも、常連さんの子供に勝手にプレゼントを買うのはやりすぎ。(←なぜかエヴァンゲリオンのおもちゃ)そして、店長に対して自分用の写真を勝手に印刷していたことを平気で嘘つく態度も怖い。私は本当に知らないんです、みたいな態度。(これはサイの過去の経験によるものなのかもしれない)

 

途中、何もないスーパーの店内でサイの目が真っ赤になって血が流れて、顔から血のようなもの吹き出すシーンはゾワッとしました。映画館で見てたら、めちゃくちゃビビったと思う。怖いのに、巻き戻してまた見てしまいました。なぜか引き込まれる。

あのシーンが何を表しているのか、私には理解出来ませんでした。わかりたいけど、たぶんこうであろうということもおぼろげにしか想像出来なくてもどかしい。

自分をクビにした店長の娘の写真を、スーパーに現像に行った理由もわからなかった。

 

サイは幸福な家族の一員になりたかったのか、完璧な家族であって欲しかったのか。

最後に主人公が言った、

子供に恐ろしいことを要求したりしない

 

あなたなら決して子供にいやらしいことをさせて、吐き気のするような恥知らずな写真を撮ったりしない

 

子供を動物のように扱ったりしない

はどういう事なんだろう?主人公が親からそういう事をされていたのか?なぜ親の写真を持っていないのか?無いからニセの親の写真を買ったのか・・・。

 

ここに関しては映画内では説明されていないので、見た人がそこから受け取るしか無いですね。私は、主人公が過去親から受けた虐待だと理解しました。でもサイの年齢でそういう写真を親に撮られる(=カメラがある)って、そこそこ裕福な家庭だったのかな。サイがされたのでは無くて、そういう家族を見たとも考えられます。

 

最後にサイが警察官に言った言葉達はグサグサ刺さったので、今ある幸せを当然だと思ってあぐらをかいて雑に扱ってはいけないんだと、ちゃんと肝に銘じておこうと思います。

あなたはとても幸運だ。(中略)良き夫で良き父で、自分の幸せに感謝している。

 

途中、サイの暴走が見ていてしんどい映画だったけど、この最後のメッセージはいろんな人に届いて欲しいです。

最後にサイが並べていた撮った写真は何だったのかな・・・。不倫してる2人の写真を、実際は撮っていなかったという事か。(写真を見たがった理由がわからない)不倫をした人間がここまで精神的ダメージを負う映画もなかなか無い気がします。あの不倫した女性はもう不倫どころじゃないでしょう。

 

あと、レビューを読むとDVDの特典映像が良いらしいので、今度はDVDも見てみたいです。正直、一度見ただけではわからないことがたくさんありますから。

 

(´-`).。oO Wikipediaに、最初主演をジャック・ニコルソンで考えてたと書いてあったけど、もしそうだったら全然違った映画になっただろうな~

 

ロビン・ウィリアムズが演じるサイの最後の逃走シーンは、サイが犯罪者なのに、サイが捕まらないで欲しい、可哀想だと応援する気持ちになってしまいました。ジャック・ニコルソンじゃ、そうはならなさそうだ・・・。